R6.12.1
校長 小田 智昭
今回の碧高ニュースは、本校在校生の皆さんが日頃「考えていること」「打ち込んでいること」「目指していること」などを、自らの言葉で紹介してくれています。学習、部活動に目標を持ち、それぞれのアプローチで達成に向かっている事に対し、大変たのもしく感じるとともに、心から応援したいと思うところです。
ところで、先日こんな新聞記事の見出しを見つけました。「カズ、プロ40年目に 2月で58歳」というものです。サッカー元日本代表で「カズ」の愛称で親しまれる三浦知良選手が来季もアトレチコ鈴鹿というチームでプロとしてプレーする事が決まったという記事です。私事ですが、三浦選手と私は同学年であります。三浦選手は15歳で単身ブラジルに渡り、大変な努力で現地のプロ選手となったと聞いています。その後日本に帰り、1993年の日本プロサッカー「Jリーグ」に発足に参加すると共に、日本代表チームの中心選手として活躍をされました。少年の頃に抱いた夢を実現し、さらなる高みを目指して進んでいく彼の姿は、私たち同世代の多くの人間にとって眩しいものであったと記憶しています。それだけに、日本代表チームがワールドカップに初出場した1998年フランス大会の代表から三浦選手が外れてしまった日のニュースを聞いて、自分のことのように胸が痛んだ人も多かったのではなかったかと思います。
「将来の夢を持とう」と簡単に口にしてしまうことがあります。しかし、夢を見つけることは、なかなか難しいものです。もしかすると、「夢を見つける」ということ自体が、夢物語といえるのかもしれません。中学、高校と進むにつれて、小さな頃に「こんなことがしたい」と思ったものとちがった進路を多くの人が選んでいきます。しかし、この「碧高ニュース」で語ってくれている生徒のみなさんは、今そこにある「目標」や「課題」に向かって
前向きに取り組んでくれています。 三浦選手のように、時に挫折をあじわいながらも、一途にひとつのことを追求していくことはすばらしいことです。一方で、コツコツと今やるべきことに向き合いながら、自分の進む道を見つけていくことも美しいと感じます。若いみなさんには、いろいろな人の人生を参考にしながら、一歩一歩進んでほしいと願ってやみません。それが本校の校訓「啓く」(ひらく)に通じる道だと思います。