R6.10.1
校長 小田 智昭
8月終盤、台風10号は列島に大雨ももたらし、進行速度の遅さで多くの被害を与えました。被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。そのような中、本校生徒は先生方のサポートを受けながら、2学期開始早々に行われる本校最大の行事「碧高際」の準備を懸命に進めてくれました。文化部門は、文化系部活動の成果発表、1・2年生各クラスはアトラクションなどの企画発表、総合ビジネス科の商品開発発表など、内容の濃いものでした。
体育部門は、全学年混成で、「赤誠」「青陵」「玄黄」「白虎」の4分団に分かれ、体育競技と応援合戦での演舞発表で対抗戦を行います。
以前私が教員として本校に勤務した平成初期の時代には、同じく4分団対抗で「マスコット製作」部門というものがありました。各分団のシンボルとなる大きな立体造形物(いわゆる張りぼて)を、木材や竹で作り上げるものであり、かなりの労力を必要とするものです。私事でありますが、平成9年「青陵」分団のマスコット製作顧問として、生徒と協力して作り上げた「なまはげ」を忘れることができません。秋田県の神事で用いられる「なまはげ」の仮面を題材に製作したものです。設計図を書き、雨風を気にしながら、少しずつ気持ちを込めて作業をすすめました。生徒の提案で、仮面の目玉が動くように工夫したことなどを、昨日のことのように思い出します。
この作品が最優秀賞になり、生徒と共に喜び合いましたが、むしろその後のことが印象に残ります。「さあ、片付けるぞ」と、電動ノコギリで教員が「なまはげ」を容赦なくどんどん切り刻んでいくなか、一瞬呆然と立ちすくんだのち、笑顔と涙が入り交じりながら、そのかけらを抱きしめるように片付けていく生徒たちの姿でした。
今年も楽しんだ時間にケリをつけ、日常に気持ちを戻さなければなりません。3年生は、まさに進路選択の季節に入ります。他の学年は一層学力、体力を充実させるための時期になります。総合ビジネス科は、検定試験への挑戦が本格化します。「祭り」で示した旺盛な若いエネルギーを発揮し、文字通り実りの秋にしてほしいと思います。大丈夫、碧高生ならできます。