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碧海の豊かな風土で可能性を育てる

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〒447-0871 愛知県碧南市向陽町4-12

 校長コラム PRINCIPAL'S COLUMN   



4.12.1  

校 長  鈴 木 尚 哉 

いま、私たちを取り巻く社会は急激に変化をしています。以前から言われてきた少子化や高齢化問題に加え、この2年間のコロナ禍や今年の2月に始まったロシアのウクライナ侵攻のような国際情勢の変化、それに伴う為替相場の急激な変動や物価高騰、カーボンニュートラルに代表される環境問題と産業構造の変化など急激でしかも多様な社会の変動が起きています。実際に私たちの身の周りでも、新型コロナの感染防止対策で学校生活は以前と変わった点が多くなり、身の回りで様々な物の値段が上がったりしています。思えば、東日本大震災以降、「想定外」「予想外」という言葉が自然であるか人為であるかを問わず頻繁に用いられる余り、言葉の持つ重みを感じなくなっている状況といえます。私たちは時代の変化に翻弄されがちで、全ての変化に完全に対応できるわけではありませんが、そうした中でも、よりよく生きていくために様々な学びを続けて成長していく必要があります。それは個人だけでなく碧南高校という学校組織においても同様で、変化に対応し成長をしていけるように考えているところです。
 話は変わりますが「2040年問題」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。今から約20年後の2040年の日本の人口は今より約1000万人減少し、1億1000千万人となると予想されています。そのうち現役世代は約6000万人に減少し、1人の高齢者を1.5人の現役世代で支えることになるそうです。現在、高校生は2040年には30歳代半ば、中学生は30歳代前半であり、まさに社会を支える中心的な現役世代になります。私たちの住む地域社会、医療や福祉のシステム、学校教育、働く職場である産業構造や企業・労働環境が現在とは大きく変わってくるでしょう。それに対応するためにも皆さんは、目の前の学習や学校生活を送ることと同時に、自分たちを取り巻く社会情勢の変化が今後自分の人生にどうかかわってくるのか、どう対応していくのかを考えていかねばなりません。日々の学習やそれ以外の活動が自分の将来にどう結びつくのか、ということを頭の中に置きながら毎日の生活を送ってください。その際に単に好き嫌い、得意不得意といった限られた視野で判断するのではなく、自らの才能を磨き、守備範囲を広くし、どのような社会の変化にも柔軟に対応できる力をつけるようにすることが大切です。社会が変化をしても基礎的な人文科学や自然科学の重要性は何ら変わりません。そして基礎学問を土台にした上で総合的な探究の時間や学校行事などを通じて生きる力を養ってください。