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碧海の豊かな風土で可能性を育てる

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25.5.1

弘法大師こと空海の著した『性(しょう)霊(りょう)集(しゅう)補闕抄(ほけつしょう)』の巻第十に『綜芸(しゅげい)種智院(しゅちいん)式(しき)』があり、そこには綜芸種智院の教育理念が述べられています。要約すると以下の通りです。「物すなわち社会が繁栄する原因は人にある。人の浮き沈みは道を正しく踏んでいるかどうかにかかっている。ここには一つの大学があるけれど、みんなが入れるものではない。貧しい家庭の子弟は、入っていくべき場所がない。また、遠くの方にあっても、これに通うにはたいへんなことである。だからいま、この左京の九条に一院を建ててたくさんの人を救いたい。」これは、一切衆生(しゅじょう)は平等であり救われるという、大乗仏教の教えに由来しています。まさしく明治でいえば「国民皆学」、今なら「教育の機会均等」に他なりません。
 庶民の教育というのは一見、回り道かと思われますが、実は空海のいうように国家にとって最重要課題であります。明治以来日本が他国が目を見張るほど発展できたのも、空海の意志が脈々と受け継がれていたからではないでしょうか。「綜芸種智院」という校名は、『大日経(だいにちきよう)』「具(ぐ)縁(えん)品(ぽん)」にある「兼綜衆芸」<衆(しゅう)芸(げい)を兼ね綜(す)ぶ>からとっています。また、「種智」というのは人間のもっている可能性という意味です。総合的に諸学芸を学ぶことが、人間に本来(種として)具っている仏智を引き出すという意味になります。本校の校訓「啓」(ひらく)は、まさに教育の本質を言い当てたことばといえるでしょう。

 


 






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